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いまを生きる Dead Poets Society |映画/ミュージカル/DVDのレビュー

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いまを生きる 【DVD】

劇場公開時、私は高校生でした。
自分の置かれた状況と重なることも多く、衝撃を受けたと言っても良いほど感動して、それ以降長いこと、好きな映画を聞かれたらこのタイトルをあげていました。
で、十数年ぶりに見直したのですが・・・。
良い映画だな、とはやっぱり思います。
でも受け止め方は当時と随分変わっていて、そんな自分に驚きました。

いまを生きる

いまを生きる
Dead Poets Society

監督: ピーター・ウィアー
出演: ロビン・ウィリアムズ/ロバート・ショーン・レナード/イーサン・ホーク/ノーマン・ロイド

1989年/アメリカ/ジャンル:ドラマ

舞台は1959年のバーモント。全寮制のエリート男子高校。
生徒たちは、伝統やら規律やら親の期待やらにがんじがらめにされ、退屈で冷めた毎日を送っています。そこに、型破りの新任教師キーティング(ロビン・ウィリアムス)が赴任してきて物語が始まります。
キーティングは教科書を破り捨て、自分で考えること、自由に生きることについて教えます。生徒たちも少しずつ感性を取り戻し、「自分らしさ」に目覚めていきます。
でも、現実は厳しく、親に抗いきれなかった生徒の一人に悲劇が訪れます・・・。

初めて見たときは、生徒たちの苦悩や無力さ、諦めに似たような気持ちに共感していたのかもしれません。映画館で大泣きした数少ない映画でした。
歳と共に涙腺が緩くなっているので、やっぱり泣くんですけど、でも以前とはちょっと違う。
生徒たちに対して、ちょっと不甲斐なさや苛立ちを感じてしまったり、以前は悪者にしか思えなかった無理解な親たちにも同情してしまったり。

ちょっとネタバレになってしまうかもしれませんが、当時は「死」を美化して受け止めていたように思います。
当たり前ですが、人間、死んだらおしまいです。
死を選ぶ前にできることはいくらだってあります。
キーティングが教えたかったのは、「今を生きる」こと。ただそれだけです。(この邦題、当時は「中身はいいのに、タイトルダサ過ぎっ!」と思っていましたが、まあ、テーマそのままってことでやっぱり良かったのかなぁ・・・)

今、自分が何をしたいのか、どうやって生きて良いか分からなかったり、無力感にさいなまされていたりする中・高生あるいは大学生ぐらいまでには、是非とも見て欲しい映画です。

また、当時はストーリーばかりを追っていてあまり目がいかなかった、全編を彩る詩の響きや、美しい季節の移り変わりなど、とても良くできた美しい映画です。青春まっさかりでない人(?)はその辺りもゆっくりご覧ください。

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